ねりま減災どっとこむ

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2006/レポート10
(取材報告)

関中学校/避難防災訓練(10月12日13時30分〜16時40分

 2006年10月12日、関中学校において、2学年(156名)を対象に、避難防災訓練が行われました(避難拠点運営連絡会とPTAの資器材訓練も兼ねています)。
 生徒は9班に分かれ、うち7班は、ローテーションでさまざまな訓練を体験し、あとの2班は3時間を通し特色ある訓練を実施しました。訓練メニューは次のとおりです。

  1. ローテーションで回る班は、炊飯訓練(バーナー取り扱い訓練)、発電機訓練、通信訓練、ろ過機、仮設トイレの組み立て訓練、軽可搬ポンプ、備蓄庫見学を、それぞれ20分間、経験していきます(軽可搬ポンプ以外の資器材はすべて、学校にある備蓄庫に入っています。)
  2. 普通救命講習会で、心肺蘇生法、止血を学びます(消防署で月1回行っている講習会と同じコースで、心肺蘇生法(AEDを含む)を中心に学ぶコース。一定の技能を修得した生徒には、認定証が交付されます)。参加は約40名。
  3. 災害要援護者訓練として、防災課から災害要援護者についての話の後、第二光陽苑(社会福祉法人 泉陽会。特別養護老人ホーム、ショートステイ等のサービスを提供)を訪問。施設の方から説明を受け、利用者とコミュニケーションを図った後、学校に戻り、高齢者体験の用具を身に着けて身体の自由が効かない体験をしました。参加は約20名。

  協力者は、関町北4・5丁目町会役員、区避難拠点要員、関中教職員、区防災課・石神井消防署、本校サポーター、PTA本部役員、第二光陽苑、その他。
 訓練を終えたあとに、アルファ米のご飯がお土産として配られました。

サポーターが集合。主に生徒の流れを見る役目を担います
調理室周辺では、アルファ米を作って、お土産の準備
校庭で開会式
地域の皆さんや区職員と顔合わせ

炊飯訓練(1)
お湯を入れて作るアルファ米を見学
<参考> 減災どっとこむ地震直後に食べ物はある?

炊飯訓練(2)
大量の湯を沸かしたり、煮込み料理等を作る時に
使うバーナーの着火を学びます
発電機訓練
大地震のときには、電気が消えます
<参考> 減災どっとこむ停電
通信訓練(1)
電話が使えなくなることを想定し、区と学校(避難拠点)間等で連絡が取れるように「防災行政無線」を備えています
通信訓練(2)
車と教室で交信をしてみます。交互に「どうぞ」
<参考> 減災どっとこむつながりやすい電話は?
ろ過機を見学
水が出ないことを想定。
これで、プールの水も飲めるようになります
仮設トイレの組み立て訓練
水が出なくて、水洗トイレが使えない事態を想定
< 参考> 減災どっとこむ一番、困るのはトイレ
軽可搬ポンプ(1)
3人が組になり、声をかけながらの訓練。水をくみあげるポンプを作動させてホースをつなぎ、放水へ
軽可搬ポンプ(2)
各地で出火があることを想定。みんなで協力して消火を
< 参考> 減災どっとこむ消防車が来ない
備蓄庫見学(1)
被災者の避難生活に必要な生活必需品や資器材が
入っています
備蓄庫見学(2)
家庭でも、こういったものを備えておくと良いですね
 < 参考> 区防災課資器材、備蓄品のページ

普通救命講習会(1)
人工呼吸と心肺蘇生。ふだんでも救急車が来るまでには6分強。その間に心マッサージをするかしないかで、予後が大きく変わる場合があります
<参考> 減災どっとこむ救急車を待つ間に

注)上記ページにある救命救急のやり方は、東京消防庁においては11月頃から行われる予定とのことです。ガイドラインの変更は、実践的な良い内容であるため、先にご紹介しています。

普通救命講習会(2)
多くの人が集まる場所に置いてあるAEDによる蘇生。
声に従って行うため、それほど難しいものではありません。
皆さんの生活エリアのどこにAEDがあるか、確認をしておきましょう。今回、参加しなかった生徒さんも、最寄りの消防署において、同じ講習会がほぼ毎月1回、行われていますので、ぜひ機会をみて、ご家族で参加をしてみてくださいね♪
< 参考> イベントスケジュール
< 参考> 減災どっとこむ救急車が来ない 

災害要援護者訓練(1) −第二光陽苑にて
施設の収容人数は、特別養護老人ホームとして80人、ショートステイとして30人で、発災から5日間は耐えられるように食料等を備蓄しているとのことです。
写真にあるのは、サバイバルフーズ。アルファ米同様、お湯さえあれば、食べられます。賞味期限は25年。雑炊もあるので、嚥下困難(噛んだり飲み込んだりが困難)な人も食べられます。

災害要援護者訓練(2) −第二光陽苑にて
ここを生活の場としている皆さんと交流。
この施設では、夜7時〜朝7時までは、職員が6名しかいないので、いざというとき、近所の方や近くの施設の職員から手助けが得られるよう協定を結んでいらっしゃるとのこと。逆に近所の火災では、消火に協力することになっています。お互いさまというわけですね♪ 災害時、余力のある時は、ぜひ駆け付けて、というお願いもありました。
災害要援護者訓練(3) −学校にて
身体や手足に重りやサポートを巻きつけて、高齢になったときの身体の不自由な感覚を試します。
災害要援護者訓練(4) −学校にて
目にゴーグルをつけると、視野が狭くなり、
素早く動くことが困難に。
特に初めての場所では、介助者が必要です。

【感 想】
 今回の訓練では、地域の方、PTA、学校関係者、区職員が一緒になって取組まれました。なかでも、一番、印象に残ったのは、サポーター制度。 学校で大きな行事があるときには、必ずPTAから募って、手伝うという取り組みです。当日だけ参加する方と、リーダーとに分かれ、リーダーに対しては、事前訓練も入念に行われました。
 開会式では、校長先生から生徒の皆さんに向けて「君たちは、ただ逃げるんじゃない。救助する中心のメンバーです」といったお話がありました。阪神・淡路大震災では、倒壊した家屋から救い出された人の多くは、近所の人の手によって助け出されました。同じような大地震が襲ってきて、広域で被害が出ると、まず、公的機関(消防、警察等)による助けは期待できません。
 一般に、災害時、自らを守ることが難しい人−乳幼児や高齢者、妊婦、障害をかかえる人、外国人、旅行者等のことを、「災害要援護者」と呼びますが、仮に家具で足をはさまれて大ケガを負い1人で避難できなければ、ふだん元気なあなたも、災害要援護者となります。このように場合によっては、全ての方が災害要援護者になりうるということを、覚えておいていただいて、皆さんには、いざというときに、その場、その場で、多くの方に手を差し伸べていただきたいと願っています。
 生徒の皆さんのパワーと団結力、と〜っても期待しています♪ (^◇^)/
※ 知らない人が個人を識別できないように、あえて解像度を落としている写真があります。ご了承ください。

レポーター
秋山 真理(ねりま減災どっとこむ)

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