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子育て世代の皆さんの地震対策

大地震がいつきてもおかしくないと指摘されているなか、ご家族のために、子どもたちのために、
知っていただきたいことは実はたくさんあります。
ここでは、ごくごく簡単に防災・減災(災害の被害を少なくする)方法をご紹介します。

Q1 もっとも有効な地震対策は、なんですか?

 答:地震に強い家に住み、家具が倒れてこないようにしておくことです。

 阪神淡路大震災では、亡くなった方の8〜9割におよぶ方がほぼ即死でした。早朝、寝ているところを家や家具に襲われて亡くなったのです。ほんの十数秒の悲劇でした。
 この災害でもっとも大切な教訓は、大地震に生き残るためには、地震に強い家に住むことと、家具が転倒してこないようにするというものでした。いくら備蓄品をそろえていても、生きていなければ使えません。
 以下に、簡単にその2つのご説明をします。

地震に強い家に住む!
1981年より前にたてた古い家や手入れをしていない家は耐震補強を
 皆さんが、住んでいる家は、地震に強い家ですか?
 大地震でも、家が残れば、生命や財産が守られます。避難所で大変な思いをすることはありません。
 1つの家に長く住んでいらっしゃる方は、本当に地震に耐えられる家かどうかを調べて(耐震診断)、弱いところの補強をしましょう。区では費用面からバックアップしていく制度が始まっています。>>くわしくはこちら
 子育て世代の皆さんなら、今後、家を購入することを検討されたり、引っ越される機会が訪れると思います。そのとき、固い地盤に建つ、強い建物を選ぶかどうかが運命の分かれ道になるかもしれません。地震に強い家、津波や水害、土砂災害にあわない家を選べば、災害危険がぐっと減ります。
 >> 参考のページ /減災どっとこむ
家具が倒れてこないようにする!
タンスなどの上と下を、壁や天井に固定をしましょう
  • タンスなどは、背面に金具か突っ張り棒(できれば金具)、下に転倒防止用の板をはめるなど、2カ所を固定すると、より効果があります。
  • 天井板がもともと固くない場合や、壁の板が薄い場合などには、固定方法によっては効果が少ない場合があります。信用のおけるなじみの大工さんなどに手伝ってもらうとよいでしょう。

 あなたがいま、パソコンとともにいらっしゃるところはどんな場所ですか? ちょっと、周りを見渡してみましょう。いま大きな地震が来たらどうなるでしょう。その場所は、何かが落ちてきたり、倒れてきたり、割れたりしてこない場所ですか?
 ほんの十数秒の揺れで、窓ガラスは割れて家具や電化製品は倒れ、テレビやパソコンは水平に3メートル、飛びます。
 赤ちゃんや、子どもが寝ている場所はどんな場所ですか? 何も倒れてこない安全な場所ですか? 
 お父さん、お母さんの寝室はどうでしょう? 今晩、布団に入って、まわりをみわたしてみましょう。
 朝、起きたら、自分の方向に倒れてくる家具は、倒れてこないように向きを変えるか、壁や天井などに固定をしましょう。重いものが高い場所に置いてある場合には、低い場所に移しましょう。
 割れてくるであろう窓ガラスには、できれば市販のガラス飛散フィルム(透明なビニールシート)を貼ることがベスト。少なくとも、常にカーテンを閉めておきましょう。寝る場所を少し離れた位置に移動することも有効です。
 家具の固定や、ガラスに貼るシートは、最近では大型スーパーなどで購入できます。また、区防災課でもあっせんしているので、簡単に購入できます(下記のリンクは、平成19年度のもの。基本的に、8月〜次年の3月までで更新されます)。
  >> 防災用品のあっせん
 / 危機管理室 区民防災課 防災学習センター  電話:03-5997-6471 

 大地震では、目の前にいるわが子のもとへ、近づくこともままなりません。ふだんいる場所は、安全かどうか、ご確認ください。
 >> 家具が倒れてこないようにしておきましょう

Q.2 どんなものを備蓄しておいたらいいですか?

 大地震が起きて、電気、ガス、上下水道がストップし、ふだん買い物をしている店で物を買うこともできない状態になると、しばらくの間、欲しいもの、必要なものは手に入りません。
 こうしたことから区では、最低でも家族3日分程度の食料や水、簡易トイレ等を備えておいてほしいとしています。ただ、その後も、妊婦さんや乳幼児に必要な物を必要な方にすぐに届かない可能性があります。

 まず、ごく一般的に非常持出品非常備蓄品としていわれているものを下にあげてみます。

非常持出品の例
避難するとき、まず最初に持ち出すものです。

  • 貴重品(現金(小銭、10円玉も)、通帳、印鑑、免許証、権利証書、健康保険証等など)
  • 飲料水、非常食(缶詰、乾パンなど)、紙製の皿やコップ、割り箸、缶きり、ナイフ、栓抜き
  • 応急医薬品(ばんそうこう、傷薬、包帯、胃腸薬、鎮痛剤、解熱剤、目薬、消毒薬など。持病のある人は常備薬)
  • 生活用品(簡易トイレ、下着類、替えの上着洗面用具、タオル、ウエットティッシュ、生理用品、ライター、軍手、雨具、ビニール袋、メガネなど)
  • 懐中電灯(1人1つ)、携帯ラジオ、予備電池  など

非常備蓄品の例
混乱が収まるまでの数日間(最低3日分)を過ごすことができるように準備しておくものです。

  • 非常食品(レトルトや缶詰めのごはんやおかず、アルファ米、ドライフ−ズ、インスタント食品、栄養補助食品、梅干し、チョコレートやあめなどの菓子類)
  • 飲料水(1人3リットル/1日)×最低3日分×家族分、飲料水を入れる大きなポリ容器
  • バーベキューセットや卓上コンロ、固形燃料、ガスボンベのストック
  • ドライシャンプー、簡易トイレ、洗面用具、トイレットペーパー
  • 風呂、洗濯機などへの水のくみ置き(寝る前には、やかんやポットの水も一杯に)
  • キッチン用ラップ、使い捨てカイロ、ビニールシート、長時間ろうそく、ガムテープ、自転車、ロープ、バール・スコップなどの工具  など

 非常持出品は、文字どおり、避難をするときなどに外に持っていくもの。家を離れるので、貴重品なども含まれます。一方、非常備蓄品は、持ち出すにはとても重いものや、すぐに必要とはならないものです。といっても避難したあと、とても重宝するものが含まれます。特に食料は、ふだん食べ慣れているものがおすすめです。賞味期限や好みがありますから、ランニングストックとして、最初だけ多めに買っておいて、随時、新しいものと交換していく形をとるとよいでしょう。
 実は、これらの置く場所が重要です。家がつぶれていなければ、家具の下敷きになっていなければ、取り出すのは簡単ですし、それ以前に、家が大丈夫なら避難をする必要もないわけですが、過去の地震災害では、これらを持出すひまもなく、身ひとつで急いで逃げ出した方のほうが多くいらっしゃいました。地震は突然きますから、持って出る余裕がない場合がほとんどです。
 したがって、どちらも玄関などの出入り口に近い場所や、車をお持ちであれば、トランクに入れておくなど工夫が望まれます。

 上のものは、どちらも皆さんのご家族の事情にあうようにアレンジする必要があります。たとえば、妊婦さん、あるいは子育て世代の皆さんなら、持出品として、次のようなものを加えておく必要があります。

□ 母子健康手帳(保険証(コピー)も)
□ 調整粉乳
□ タオルやガーゼのハンカチ
□ おしりふき  
□ 名札
< 離乳食を開始している場合 > 
 □ 離乳食
< 歩ける場合 > 
 □ くつ
< 妊婦・母親用 >
 □ お薬手帳
< 出産が近い方 >
 □ 分娩準備品 

□ 診察券
□ プラスチック製ほ乳びん
□ 子ども用歯ブラシ 
□ おんぶひも
□ お気に入りのおもちゃ


□ 離乳食用スプーン



□ 生理用品
□ 飲料水(乳幼児用も含む)
□ ほ乳びん消毒剤
□ 紙オムツ(成長にあわせたもの)
□ 子ども用の薬
□ ベビーカー  など

□ 子どものおやつ

(参考:東京都/妊産婦・乳幼児を守る災害対策ガイドライン)    

 大地震のあと、母乳で育てていらっしゃるお母さんも、震災のショックで母乳が出なくなったりすることもありますので、ほ乳びんやミルクが必要です。食料は、子どものアレルギーや好みに応じて、常温保存できるものを、できれば1週間分以上、備えておくことが望まれます。
 これらの持出品は、皆さんがふだん、外出時に持っていくものに似ていませんか? そうだとしたら、そこに一工夫を加えておかれると良いでしょう。どこで災害にあうかわかりませんので、母子健康手帳に、診察券や薬の名前などを記したもの、はぐれたときのための家族の写真、そして多めの水、食料などを常に携帯するようにすると良いでしょう。

Q.3 家族や親類と、連絡をとるにはどうしたらいいですか?

 大地震になると、多くの人が一斉に電話をしたり、電話線が切れたりすることから、ほとんどの場合、電話が通じません。これは、携帯電話も同様です。
 そんなときに使えるのが、災害用伝言ダイヤル「171(忘れてイナイ)」です。緑色やグレーの公衆電話からだとつながりやすくなっています。
 171は、毎月1日、正月三が日、防災週間(8月30日〜9月5日)などに体験することができます。
 日中、家族がばらばらになっているときに地震がくるときもありますので、ぜひ、みんなで体験してみましょう。

<参考>
 >> 災害用伝言ダイヤル(171)/ NTT東日本
  >> 災害用伝言ダイヤル(171)の録音と再生方法(pdfファイル)/ NTT東日本 (プリントして、ぜひ携帯を)
 >> 災害時電話をするなら171 / 減災どっとこむ

Q.4 練馬区で、地震がきたらどう行動したらいいですか?

 まず、地震のとき、真っ先にすべきことは、あなたと子どもの生命を守る(身の安全を確保する)ことです。それができたら、ガスの元栓、電気のブレーカーを落として、安全な場所にうつりましょう。
 避難は、最後の手段です。自宅がいまにも倒れそうで中に入ることができなかったり、大きな火災が迫るといった危険がある場合には、まとまった空き地に一時的に避難したり、最寄りの避難拠点(区立の小中学校)に身を寄せることになります。

 大きな災害のとき、一番、頼りになるのは、ご近所の方々です。子どもを抱えての避難や安全の確保は、大変です。火災を消したり、いざというときに助けに来てもらうには、ご近所の方々の力を借りることも必要な場合があります。
 ぜひ、ご近所の方とお友だちになって、お互いに安否を確認できる状態にしておきましょう。

<参考>
 >> 大地震、そのときあなたは / 危機管理室防災課区民防災第一係 電話:03-5984-2601(直通)
 毎年、避難拠点運営連絡会が主催している防災訓練などにぜひ、参加してみてください(近くなると、町会、自治会などの回覧板等でお知らせがまわります)。

  >>防災地図・避難拠点一覧

Q.5 地震のあと、どのようなことに注意をしたらいいですか?

 大地震のあと、一般に子どもやペットに、大きな変化があらわれます。急に甘えて身体をすり寄せてきたり、1人になるのをいやがったり、逆に強がってみせたりします。そんなふだんとは違う子どもからのサインを、親御さんは、きちんと受け止めてあげてください。大人が不安なように、実は子どもも、とても不安でならないのです。
 また、ちょっとした揺れも怖がることもあります。できれば、避難が必要な場合には、ふだん一緒に遊んでいるお友だちや親類のお宅に身を寄せることをおすすめします。大人どうしが助け合って子どもをみていれば、もう1人の方が水や食料をもらいにいったり、家の片付けをするといった時間をとることができます。(くどいようですが、地震でつぶれない家を選んで住んでいただければ、こうした心配はありません。)
 また、子どもは特に免疫力が弱いので、できる限り、生ではなく熱をとおした食べ物をあげましょう。これは、大人も同じかもしれません。避難生活では、必ず食中毒や感染症が心配になります。
 ミルクをあげる場合にも、温めるために卓上コンロなどが必要です(ほ乳びんに携帯用カイロを巻いて温める方法もありますが、適切な温度にするのが難しかったり、足用のものだとヤケドをすることもあります。車のシガーライターソケットに差し込んで温める用具も売っているようなので、ご近所の車をもっている方に予めお願いしておくとよいでしょう)


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